見感 mikan

アート好きのひとり言

杉本博司と春日大社

12月23日から来年3月13日まで春日大社国宝殿で開催されている春日若宮式年造替奉祝「杉本博司 春日の神霊の御生 ――御蓋山そして江之浦」展。

 

杉本博司さんが設立した江之浦測候所に今年の春(3月)に春日神の分霊を迎えた。その縁もあって今回の展覧会が開催されるに至ったという。

 

杉本さんが収集する古美術は、気づけば三分の一が春日信仰にかかわるものになっていたというから春日大社との縁を感じるし、お導きのような気持に、聞いているだけでもなるんだから、杉本さん自身の気持ちの動きはどんな感じだったのだろう。そんなことも興味深い。

 

彼のコレクションと春日大社がもつ宝物が並ぶ室内。古美術品自体、すました風に展示されてるけど、それぞれの魂は戻ってきた―――と叫びたい衝動に駆られているかも。夜、私たちが知らない時間には、展示品同士でで労をねぎらい、色々な世間話をしているのかも、なんて。

 

しかし「国宝」とされているものは、なにか心が動かされ、その場から離れられない強さを持っている。現代アートもすばらしいが、歴史時間を積みあげて存在する品々には勝ることができないのかなと感じる。

過去に生きてきた人が国宝と位置づけ、現代の私たちがみてもそれを十分に味わえる、どの時代の人がみても名品と思えるってすごいな……。

 

奈良国立博物館では春日若宮社の国宝の展覧会が開催されている。年あけにはこれ、行こうと思う。

https://www.narahaku.go.jp/

もちろん杉本さんの最新作、屏風すばらしかった。