映画『ドリーム・ホース』
久しぶりの映画。
なんといってもこれが実話というのが噓のよう。紹介コピーにも「奇跡の実話」と書かれているように、ほんとすごい。
馬主になってから競走馬が優勝するまでの話。2時間という長さなので、詳しく描きこまれるのかと思っていたけど、意外に大きくまとめられていた。当たり前だと思うけど、もっと1つ1つ時間がかかって大変なことも多かっただろう。でも最終的に映画通りの結果になっている事実は、まさに「事実は小説より奇なり」。人間ってすごい。
しかも若者の話ではない点も、個人的にぐっと来た。
年の始まりにぴったりな映画だった。
実在の人たちが役者と一緒にエンドロールに登場していたのも驚いた。
おすすめ
お寺にアート
大阪市平野区にある全興寺へ。ふとサイトで見つけたのだが、その寺の売りは地獄堂があること。閻魔様や舌を引き抜く鬼の像が飾られているなど”おもしろい”寺で紹介されている。
いろんな凝った仕掛けがあって小さい寺ながら、楽しめたのだが、一番ヒットしたのは
「ガラスの涅槃仏」。
写真で撮ると光がピンクなんだけど、現地では白っぽい空間。そして横たわる仏。ガラスでできているとは知らず、一見張り子なのかなとも思えた質感。
少し青みがかった色合いは、「自然」をも感じさせてくれた。
色々な仏を目にしてきたけど、これはなかなかユニーク。
地獄堂もおもしろいかったけど、このガラスの涅槃仏、もっと有名になってもいいのに。
新年早々いいものを見つけた悦び。いい年になりそう。
今年もアート鑑賞スタート
今年最初のアート鑑賞に。
かわいい!と思った方、ぜひ拡大して見てほしい。きっと驚くはず。そうこのクマ(いや猫?)、毛だらけなのだ!
荒川朋子個展「はじまりのおわりはおわりのはじまり」。数年前にはじめて見た荒川さんの作品は、鳥居のような木の枠に髪の毛(もちろんフェイク)がたらーんとぶら下がっているもの。これは一体なに?と後ずさりするような強さ、怖さがあった。
それからしばらくして京都のKunstarzt(ギャラリー)で彼女の作品と再会。
今回も、木の板の絵に毛が生えていたり、写真のように立体が毛で覆われているもの、西瓜(木で作られた)の黒い縞に毛が生やした作品など。彼女は「毛」で、何を表しているんだろう。「毛」っって生える部分によっては剃られて、ある意味嫌われて。でも人間には必要なもの。
私自身が毛深いので、「毛」に対しては拒否感のようなものがある。それが毛に覆われた作品を見ると、なんというか自分の弱いところを突かれているような、気にしなくてもいいものを気にして生きてきた自分を批判されているような気にもなる。もっとおおらかでいいのだと言われている気もする。
そんなこと全く思わず、かわいいー!で終わる人もいるだろうに。反対にその人はどんなタイプに人なんだろう。
「毛」というこの一文字、一言がぐるぐる頭をかき混ぜる。
ちなみに毛は「つけ睫毛」。作家さんが、大量に買い込んでるところを想像したりして、余計なことも想像してしまった。
おもしろい作家さん。これからも楽しみ。
図録の山
図録。
展覧会後の図録。作品を見終えて、ちょうどいい場所に、欲しくなるような具合に図録って置かれてて、よく罠にはまってしまう。そして見返すことなく積まれている。
過去の図録、古本屋にもっていけばいいのかもだけど、なんかもっと有意義なコミュニケーション取り合って譲り合う(←ほかの図録を手にしたいのがばれる)方法はないかな。
交換会のようなものをやっている人もいるんだろうな。東京ではコロナ前は図録の交換会?のようなものをTakeさん(青い日記帳の方)されていたかと。
もうしないのか。もし再開されるなら参加したい。
内にこもってしまいがちなタイプなので情報をうまくつかんでいないだけかも。今年は開くことも意識したい。それよりも買わない。です。
といいつつ、いざとなればどれも大切。じゃあ読んでくださいと自分にツッコミます。
2023 開始
2023年ようこそ。そして元日が日曜日ということでEテレ日曜美術館の新春版が放送。高田純次がゲスト。
ラストに今年の抱負を「ただ生きる!」と書いた高田さん。なんとかっこいい人なんだ。
そんなことをお正月早々思ったりして。
今年はマティス、シーレとまたまた巨匠の作家展が開催される。マティスは今年と来年早々にも展覧会があって、一層ブームになりそう。ブームといってもすでに浸透している作家だけど、どんなハレーションが起こるのかも楽しみ。
テレビでの紹介はなかったけど、私個人で、まず楽しみにしているのは大阪中之島美術館での(1月21日からスタート)「大阪の日本画」。好きな北野常富、島成園が広告に使われてて、どんどん期待値が上がっていく。(あまり上がりすぎないようにしないと。)
チラシ画像
今年もこうやってアート鑑賞が綴れるよい1年でありますように。
来年も
今年もいよいよ終わり。
年末に急にブログを初めて来年はコツコツと綴っていきたい。
仕事が急に忙しくなってあまりアート鑑賞に行けないかもと思いつつ、半分意地で通った感じ。でも心に余裕がないと、良さが半減することも改めて感じた。
自分のことだけでなく、日本、世界は来年はどうなっていくのか。こうやって展覧会を巡ってブログを続ける日常を過ごせるように。自分のできることはやっていきたい。
よい2023年になりますように。
今夏に甥っ子と東京旅行。そんなことができて私はうれしかったけど、甥っ子は退屈だったかも。で、銀座で食べた餃子。懐かしい。
全てに感謝2022
杉本博司と春日大社
12月23日から来年3月13日まで春日大社国宝殿で開催されている春日若宮式年造替奉祝「杉本博司 春日の神霊の御生 ――御蓋山そして江之浦」展。
杉本博司さんが設立した江之浦測候所に今年の春(3月)に春日神の分霊を迎えた。その縁もあって今回の展覧会が開催されるに至ったという。
杉本さんが収集する古美術は、気づけば三分の一が春日信仰にかかわるものになっていたというから春日大社との縁を感じるし、お導きのような気持に、聞いているだけでもなるんだから、杉本さん自身の気持ちの動きはどんな感じだったのだろう。そんなことも興味深い。
彼のコレクションと春日大社がもつ宝物が並ぶ室内。古美術品自体、すました風に展示されてるけど、それぞれの魂は戻ってきた―――と叫びたい衝動に駆られているかも。夜、私たちが知らない時間には、展示品同士でで労をねぎらい、色々な世間話をしているのかも、なんて。
しかし「国宝」とされているものは、なにか心が動かされ、その場から離れられない強さを持っている。現代アートもすばらしいが、歴史時間を積みあげて存在する品々には勝ることができないのかなと感じる。
過去に生きてきた人が国宝と位置づけ、現代の私たちがみてもそれを十分に味わえる、どの時代の人がみても名品と思えるってすごいな……。
奈良国立博物館では春日若宮社の国宝の展覧会が開催されている。年あけにはこれ、行こうと思う。
もちろん杉本さんの最新作、屏風すばらしかった。